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「働く」ということ

明けましておめでとうございます。知覚・認知心理学(実験心理学)のよしだです。
今年もよろしくお願いします。

年が明け,キャンパスにも学生が戻ってきて2週間が経ちました(今年は曜日の関係で,なんと1/4に授業スタートだったのですよ!)。


社会臨床心理学科では,早いうちから将来の方向性を考えてもらおうと,1・2年生の授業で先輩や卒業生に話をしてもらう会を開いています。


1/11(木)には,社会の現場で働いている卒業生を招いて,学生時代の話,どうやって今の仕事を考えるようになったのか,それを実現するためにどのような努力をしたのか,実際に働いてみてどうなのか...など,活きた話をしてもらいました。


日本基準寝具(株)エコール事業部で福祉・介護用品を扱う仕事をしている奥田さんは,病院や施設はもちろんのこと,お年寄りのご自宅に出張して仕事をすることも多く,感謝される仕事のおもしろさを語ってくれました。

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広島市消防局に勤務する前田さんは,2014年に多くの人命が失われた広島豪雨災害のとき,ボランティアとして復旧作業に参加したときの体験を通して消防士になる決意を固めました。

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大学院に進学した後,広島大学病院のエイズ医療対策室で臨床心理士として勤務する杉本さん。学部生時代から院生時代,そして現在と,自分の内面の変化についても触れながら,さすが心理専門職らしいすばらしい話をしてくれました。

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学生たちにとってもいい刺激になったようで,1年生たちが積極的に質問する姿が印象的でした。

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1/18(木)には,卒論発表会準備で忙しい中,今度は4年生が後輩のために,就職活動の話をしてくれました。


プラスチックパレットなどの物流資材メーカーへの就職を決めた畑山さんは,第1希望にしていた会社の内定を逃したのを機会に,見違えるように積極的な就職活動を見せてたくさんの内定を勝ち取りました。凹んでも構わない,逆境は人を成長させてくれる一番のチャンスだ! ということを聞いていて感じました。

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ギフトや記念品等を中心とした総合商社に就職する福本さんは,心理学を勉強したからこそ,人と人の繋がりをサポートするこの仕事に興味をもって決定したとのことでした。ゼミの先生のサポートから,学内のいろいろな資格講座,学外のハローワーク等まで,周りにあるたくさんのサポート資源を有効に使いながらの就職活動をされていて,とても感心しました。

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市役所に内定した瀬戸くん。いつも通学中に見ている広島駅前が再開発でどんどん変わる姿を見て,幅広い分野の仕事ができる市職員に興味をもつようになったとのこと。その志を遂げるためにスイッチを切り替えてがんばった話は,後輩たちにも大きな刺激になったようでした。

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私は学科の広報を担当しているので高校生と接することも多いのですが,「心理学」といえば「カウンセラー」しか思いつかない人が多いように思います。


でも実際には,「心理学」という学問は,人がかかわるすべての活動が対象となる,非常に幅の広い研究領域をもつ学問なのです。
ですから,「心理学」を学ぶ中で身につけた知識やスキルは,社会のいろいろなところで役立ちます。

人を相手にしない仕事はありません。だから「働く」ということは「人とかかわる」こと。
卒業生たち,4年生たちの話を聞いて,彼らひとりひとりの中で心理学が息づいているのを感じてとてもうれしく思いました。


さて,明日からいよいよセンター試験が始まります。大学のキャンパスも今日はその準備で大忙し。


若者のサポーターとして,私たちも応援しています。
受験生のみなさんの健闘をお祈りします!

(吉田弘司)


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【追記】

11月のこのブログで,私のゼミ生たちの学会活動をご紹介いたしました。
そこに学生たちの研究発表の題目をご紹介しましたが,その中に挙げていない研究がありました。それは,私が発表した研究。

たとえば,「バーチャルリアリティ空間における月の錯視」という研究。
これは,今はもう卒業して,益田赤十字病院で働く岡﨑愛美さんと,眼鏡屋さんの(株)21で働く古山ちあきさんが昨年度に行った卒論研究なのです。
「知覚の研究がしたい!」という二人と一緒にやった研究の成果を,そのまま眠らせておくのももったいないので,この研究は,私が許可を得て謝辞に学生たちの名前を入れて日本心理学会(2018/9/25~27,仙台国際センター)で発表しました。

有名大学の研究者仲間や大学院生たちに紹介して,「すごい!」「おもしろい!」と言わせておいて,「おもしろいでしょ? これ,うちの卒論... (:-P)」と言って楽しむのが,今の私の趣味のようなもの。

「月の錯視」とは,地平線近くの月が大きく見える錯覚現象なのですが,この錯視は写真に撮るとなぜか消えてしまう。
これを研究しようと決めたのは,消防士を目指すことになった前田くんと同じ,2014年に起こった広島豪雨災害のとき。災害現場に行くと,とんでもなく大きな災害が起きたことが身体で感じられるのに,それが写真では伝わらない。なぜだろう,どうしたらこの災害の危険性を伝えられるのだろう...と考えて学生たちと研究を始めたところ,VR(仮想現実)の技術を使えばその大きさを伝えられることがわかりましたので,それを発表したのです。

災害現場を目にしたとき,人間だからその心を通して感じることがある。それをきっかけに消防士を目指す若者もいる。私たちは,現場を共感できる仕組みを作れないかと考えた。


そしたらなんとまぁ,昨日,日本心理学会から手紙が届いていて,優秀発表賞をいただいたのですよ (^o^)。

学会の発表賞なんてどちらかといえば若手の研究者のためのもので,私のようなおじさん研究者はむしろ学会役員として審査側に回ることが多いのですが,今年度の日本心理学会では3日間で1000件を超えるすべての研究発表を審査対象にしたとのことで,それで引っかかっちゃったらしい。

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早速,卒業生に伝えたら大喜び。
「また大学に行きます!」,「また遊びにおいで!」

卒業した後も,何かとこんなふうに学生たちとつながっているのが,うちの特徴かな?

大学で「働く」私にとっては,とても大切な,かけがえのない財産です。感謝。

(吉田弘司)

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2019年1月18日 12:02に投稿されたエントリーのページです。

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