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2018年2月 アーカイブ

2018年2月 1日

進路を考える

社会臨床心理学科では,1年次の初年次セミナーから,2年次の社会臨床心理学,3年次の社会臨床心理学演習と,将来の進路について考える機会を与える授業をもっています。
今回は,そこからの1コマを紹介します。


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インターンシップ報告会

昨年,企業等にインターンシップに出かけた3年生が,1年生・2年生にインターンシップでどのような研修を行ったのか,事前準備はどのようなことが必要なのかなど,話をしてくれました。


大畑さんは,インターンシップ先で体験させてもらった研修プログラムを実例を踏まえながら紹介してくれました。最近は,グループ内に人材育成を専門にする会社をもつなど,充実した研修プログラムをもつ企業も増えつつあります。話を聞くと,大変丁寧な研修をしていただいたようです。自身の就職活動を前に,よい経験ができたのではないでしょうか。

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谷山くんが参加したのは,公務員職のインターンシップ。初日いきなりの失敗談に,彼の実直な人柄が見えました。彼のいいところです。

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「最初は何も考えずに参加したんですよ」と話すのは上戸さん。彼女はインターンシップ先からの評価が大変高かったのですが,初日から意識を切り変えて積極的に行動した結果だということがわかりました。その現場適応力がすごい!

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誰もに言えること...一歩外に踏み出すことで世界は広がります。
1・2年生は今年,ぜひチャレンジしてみてください。


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就職活動報告会

4年生からは,就職先を決定するまでにどのような活動をしたのかを紹介してもらいました。


正岡さんは,その積極的なキャラを活かして短期決戦で早期内定を獲得しました。

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岡﨑さんは,いろいろな企業への活動を経て,最終的には出身地の総合病院の事務系総合職に決定。面接で自分を印象づけるために考えた紙芝居を使った自己アピールなどを紹介してくれました。

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就活前にすべきこと,その1「単位をちゃんと取って,遊びまくる!」で始まった弥重さんの就活体験談...ですが,その話には就職活動だけでなく社会人として生きるためのポイントが満載! 素晴らしかった。

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就職活動に正解はありません。それぞれが自分という素材を活かしながら,自分に向いた進路を求めて,自分なりに精一杯の活動をしたことで,内定を勝ち取ったのだなと思いました。


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卒業生の話

そして,卒業生たちも大学に来てくれて,後輩にエールを送ります。


精神科病院で臨床心理士として働く峠さん。病院で心理士として働く毎日がどんなものかを紹介してくれました。国家資格である公認心理師が誕生したことにより,心理職の広がりが一層期待される今年以降。学生たちは興味津々に耳を傾けていました。

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民間企業を代表して来てくれたのは筒井さん。転職をした話も含めてアツく語ってくれました。上司に言われたことをやるだけではおもしろくない。どんな会社でもそこで「自分の居場所」をつくる。でも,仕事って,学生時代に培った「人と仲良くする」の延長なのです...という話がとても印象的でした。

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公務員職では,広島県警から板本さんが来てくれました。県警初の女性自動車警ら隊員である板本さん。自分の体験談をはじめ,学生があまり知らない警察のいろいろな仕事を紹介してくれました。

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進路に関しては,私たち教員が話をしてもピンと来ない学生も多いでしょうが,同じ学びを経験した先輩が話をしてくれると,学生たちも自分を重ねて見てくれるようです。

大学の4年間はひとつの通過点にすぎません。
その先を見据えて大学生活を過ごしてほしいなと思います。


先輩のみなさん,どうもありがとうございました。

(吉田弘司)

2017年度 卒業論文発表会

実験心理学研究室のよしだです。

新設された国家資格「公認心理師」の話題でもちきりの心理学界隈ですが,心理学という学問は実践応用だけでなく,そのための基礎となる「研究」を大切にする伝統をもっています。

そして,学生たちが4年間の学びの集大成として,各自で行った研究を発表する場が卒業論文発表会なのです。

社会臨床心理学科の発表会はポスター発表形式。場所は学生会館1階のホール。
3年生と4年生が全員参加のイベントなのですが,2年生の姿も結構見られたのがうれしい。授業が終わって帰ろうかという1年生も通りがかりに見つけて見物してくれました。

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最近思うことは,結構,しっかりした研究が増えてきたなということ。発表を聞いていて,楽しめる!

学生はもちろんでしょうが,研究を指導する先生たちもさぞかし苦労したのでしょうねぇ~。


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私の研究室でも,ゼミ生たちと一緒に楽しく苦労してきましたよ。
特に今年は,「そんなことできるか~!」と,普通はあきらめるようなテーマにも全開で挑戦!
この挑戦の無謀さは,全国のどの大学の心理学研究室にも絶対負けてないと思う (^^;)...それが吉田ゼミ!


そのひとつは「VR」(バーチャルリアリティ,仮想現実)の活用。

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ゼミの研究のひとつ(岡﨑・古山研究)では,月が地平線近くでは大きく見えるという「月の錯視」の研究を行いました。
月の錯視(錯覚)は写真には写らないことが知られているのですが(地平の月も写真では小さく見える),VRがもたらす仮想の世界では...錯視が生じるのです!

研究のために作ったのが下(↓)のビデオの世界です。

仮想の世界なので月が2つあります。それを心理実験で大きさを変えながら,錯覚の程度を測るのです。
昨年のオープンキャンパスや大学祭でも展示していたので,ご覧になった人もいるかもしれません。
実験では飛ぶことはしませんが,VRの世界では,高さの距離も実際よりも高く知覚されるので,飛ぶと足がすくみます (^^)。


もうひとつの挑戦は,心理実験のツールとしての「擬人化エージェント」(アンドロイド)の開発。

コンピュータが人と接するインタフェースの部分に,人の形をしたものを使うことがあります。例えば,銀行のATMの画面などで銀行員さんのイラストがお辞儀していたりするのを見たことがある人は多いでしょう。
こんなキャラクタを工学分野では「擬人化エージェント」といいます。これがあると,コンピュータ臭さが減って,ユーザーが親しみをもちやすくなるのです。
究極のエージェントは「アンドロイド」かな。

私のゼミでは,視線や表情を使った感情コミュニケーションができるエージェントの開発にチャレンジしたのです。それは,そのエージェントを,人のコミュニケーション行動や感情理解を研究するために使おうという発想によるものです。

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ある研究(岸川・藤村・森重研究)では,ユーザーのコンピュータ画面操作に対して,エージェントが笑顔を振りまくと印象がすこぶるよくなることを見出しました。しかも,その効果は男性よりも女性で顕著でした。その一方で男性は,エージェントの笑顔に気がとられて,画面操作のスピードが遅くなっていました。
コンピュータなのに,笑顔で愛想を振りまくと,人はしっかりその影響を受けるようですね。

また,別の研究(齊藤・藤永研究)では,VR(仮想現実)の世界でエージェントに出会うと,人はそれに対してパーソナルスペースを維持しようとすることがわかりました。
パーソナルスペースとは,人間同士がそれを超えて距離が近くなると,不快に感じてしまう空間のことです。
モノに対してパーソナルスペースを感じることはないので,人はエージェントに対して,人間として接していたことを意味します。

そんな私たちが作ったエージェント,まだ開発途上なのですが,下(↓)のビデオでご覧いただければと思います。マウスの操作に対して,まるで生きているみたいに反応します。人によっては,ちょっと"コワイ"見え方をするかもしれませんが,これはロボット工学で「不気味の谷」といわれる現象です。この谷を越えるのが難しい。我々の脳は,これは人間ではない!...と敏感に察する能力をもつのです。


秋に学生たちとこのエージェントを使った研究を発表した学会で,他大学の研究者から「こりゃまたとんでもないものを作りましたねぇ~」と,褒められているのか,呆れられているのかわからないようなコメントをいただきましたが (^^;),研究をやっていると,そこには「遊び」と「勉強」の区別なんかありません。

遊びのようでいて,勉強が必要だし,勉強したことが活きて遊びのように斬新で魅力的なアイデアが生まれる。そしてそんなイキイキとした学びの過程を通して,純粋に「人間ってすごい! 人間っておもしろい!」と思える。これも「心理学」のおもしろさ。

今年もチャレンジは続きます。

(吉田弘司)

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